劇団四季『ノートルダムの鐘』観劇レポート(KAAT・2022/7/16昼公演)
KAAT神奈川芸術劇場で上演中の劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」観劇レポートです。
2022年7月16日の昼公演、今期3度目の観劇。
そして、金本泰潤さんのカジモドがまた観れる!!ってことで、本当に楽しみにしていた本公演。
少し喉が辛そうだった場面もあったけど、1か月前に見た以上に『カジモド』になっていました。
感情移入しすぎて疲れた~~~
「ノートルダムの鐘」キャスト
2022年7月16日(土)昼公演のキャストはこちら。
野中さん、松山さんはお初です。
ツイッターで情報を見ていてとても楽しみにしていました!
フィーバスの佐久間仁さんは2018年の鐘と、数年前のキャッツ以来でした。
男っぷりがパワーアップしてた印象。
「女なら誰でも惚れてしまう色男」まさにそれ!!
エスメラルダ役・松山 育恵さん
初めて松山さんを拝見しました。
登場シーンのダンスから歌、演技、もう最後まで魅了されっぱなしでした。
とっても好きです、松山さんのエスメラルダ。
なんでしょう、うまいだけじゃないんだろうな。
(語彙力少なくてうまく表現できない・・・)
視線、身のこなし、指先まで美しくて、同性から見ても色っぽかった。
そして、スリットからのぞく脚の美しさ!!(岡村さんもだけど)
細いのに程よい筋肉としなやかさ、あぁ、うらやましい限りです~~~
歌声も好き。
小柄だけど、お声は太め。低音もひびくし安定してます。
高音のビブラートも美しかった。
そして大好きなシーン、「世界の頂上で」。
カジモドを見る優しい目、垣間見えるかわいらしさ、初心さ、とか、
なんか、あのシーンの二人にキュンキュンしてしまいました。
あの時のカジモドには本当に母性がだだもれ~
これが永遠に続けばいいのにー、と思ってしまう。
ストーリーを知っているだけに切なくなる。
そしたら、カジモドも傷つかずにすんだのにね・・・
フロロー役・野中 万寿夫さん
率直な感想、怖かったです。
あんまり優しさは感じられなかったかなぁ。
強さ、暴力、傲慢などの『悪』を強く感じたフロローだった。
村フロローのほうが、カジモドに対しての優しさ、親心みたいなものを感じました。
カジモドの腕をつかんだり、耳をつかんだりするシーン、金本カジがうまいのもあるかもしれないけど、見ていて本当にかわいそうになってしまった。
歌は村フロローが好みです。低音の響きとか、お腹の底のほうに響く感じ。
フロローの『あくどさ』をよく表現してたのは野中フロローだったと思う。
「地獄の炎」野中さんは『悪』全開でした。
こわ~~~。
ただ、個人的に川口竜也フロローをもう一度見たい!!
クロパン役・髙橋 基史さん
毎回書きますよ。もう素敵すぎです。
そして安定感抜群です。
なんであんなに惹かれてしまうんでしょう。
今回、前方の席だったので、どこに魅力を感じるのかを知りたくて、オペラグラスなしでガン見しました。
存在がもうかっこいいんだよな~、フィーバスのほうがイケメンなのにクロパンに惹かれる…
髙橋さんのクロパンかっこいいんだよなー。
そして思ったのは、
「この人、海外の舞台にそのまま立っても違和感ないんだろうな」
と。
どこか日本人離れした雰囲気、演技、動き。
それが違和感なく、とても自然なんですよね。
細かい演技も面白かった。
「コレ、ぜったいアドリブだよな~」と思わせるような箇所多数あり。
ツイッターでも、髙橋さんのクロパンに惹きつけられてるって人、結構いた印象です。
高橋クロパン歌がとにかくうまくてセリフもうまくて完全に役が染み付いてて本当にすき
— ぽし (@pianonokangeki) July 16, 2022
クロパンの髙橋さんはほんとにもうさ、素晴らしいのよ。音感リズム感歌声声量顔面スタイル、好きーーー!ー!ー!
— エル (@wicked_00) July 15, 2022
歌上手い人はよくいるよ。でも音感リズム感を備えた人ってあまりいなくて、音に合わせて歌ってるんじゃなくて音が身体に入ってる感じなんだわ。
もう共感しかない。
カジモド役・金本泰潤さん
金本さんが演じるカジモドが好きで、再び観れることを楽しみにしていました。
今期これが最後かも、と目に焼き付ける思いで舞台に集中。
先月よりも、より『カジモド』になっている気が・・・
そして集中しすぎて、後半、自分が疲れてしまうという失態。
それはともかく、
まず、近くで見ないと分からないような小さい動きから視線まで、細かい演技してます。
そして、よく見ると、舌をちょいちょい出すんです。
出すというか、出ちゃうんでしょうね。
それがすっごいリアルで・・・
歌詞にもあるように「醜い」「きもち悪い」をよーく演出しています。
本当、リアル・・・
そこまでするのね・・・
これは前方の席でないと感じられないかも。
歌にも感情がこもりまくってました。セリフと歌が入り交じる感じのところも良かった。
あーゆう表現力はうまいなぁと感じました。
ただ、少し喉が疲れていたかな、と感じる部分も。
音程の乱れなどはなく、声もよく出ていました。声量もありました。
でも、カジモドにはもっと高音の伸びやかな歌声を求めてしまう・・・
最初の「陽ざしの中へ」の時から、先月よりも声がかすれているな、と思ったけど、かすれ気味ではあるけど高音も出てたし伸びもあった。
裏声で歌うところも、きれいでした。音程も安定してるし、本当、聴き入ってしまった・・・。
そして第二幕。
静かに歌うところで、「あれ?声出てる?」ってところがあって、
「石になろう」では、高音がしんどそうで、絞り出している感じが。
喉、大丈夫ー?と心配に・・・
怒りとか絶望を表してる歌だから、そーゆう歌い方もあるのかもしれないし、敢えて荒々しく歌うってこともあるかもしれないのだけど、
カジモドには怒りの中にも澄んだ伸びのある歌声を期待してしまう。(個人的な好みあるかもだけど)
これは、アメリカのオリジナルキャスト、マイケル・アーデンや海宝さんのCDをずっと聴いていた影響もあると思いますが。
とはいえ、繰り返しになりますが、少し辛そうに聞こえたけど、音程を外すこともなく声量もすごかったです。
歌にも芝居にも惹きこまれました。
フィナーレ、エスメラルダが去っていくシーンの背中が、なんとも切なかった。
そして、きれいになったお顔で、まっすぐ立って言う最後にセリフは、美声でしたよ。
あの時の金本さん、凛々しくてステキなんです。
さて、「ノートルダムの鐘」が開幕して約2か月。
これまでカジモドはダブルキャストでまわしてますよね。
この暑い日本の夏で、大変だろうよぉ、、
せめてトリプルにして欲しいなぁ、なんて、観劇後に感じてしまいました。
今後、他のカジモドは登場するのでしょうか?
いや、残り約3週間、この二人でいくと私は見てますが、いかがでしょうか?
KAAT(神奈川芸術劇場)・座席について
今日の座席は、1階6列の左サイドブロックでした。
舞台左側の2階に上がったキャストの顔が柱で隠れることはありましたが、兼ね視界は良好でした。
逆に右側の2階は良く見えたので、「パリの人々よ~」と歌うシーンはよーく見えましたよ。
あと、エスメラルダやクロパン、意外と2階に上がって演技してるのね~など発見もあり、楽しめました。
アンサンブルさんの動きもよく見えました。
石像になったり、一般市民になったり、その時々で表情がまるで別人になるのはさすがです。
フィナーレでのアリアをソロで歌う、あれは中山理沙さんでしょうか?
カジモドを優しく見つめながらの美しい歌声。
舞台下手の2階から歌っていたのを、今日はっきりと見ることができました。
そして、中山理沙さんのこんな動画を発見。
11年前でこの歌唱力、表現力。
とってもお上手!素晴らしい!!
女性アンサンブルについて
女性のアンサンブルさんは4人なので、前方の席で肉眼で見分けることができました。
近藤きららさん、目力と歌声、迫力ありました。見た目のかわいらしさとちょっと良い意味でギャップがあって素敵でしたよ。
平田曜子さんといえばラフィキでしょうか。
さすがのベテラン。歌声も立居振舞も存在感もありありでした。
奥平光希さんは、キャッツで何度か拝見しています。
やっぱかわいいなぁ。あの伸びのある透き通った歌声も好き!
はぁ、キャッツ観たいな~なんて思いがよぎるわぁ・・・
おわりに
今日の公演では、舞台が近かったせいか、これまでよりも引き込まれてしまった感じが強かったです。
そのせいか、観劇後、というか、後半からぐったり疲労感が・・・
それだけ、キャストの皆さんの演技が素晴らしかったから感情移入もすごくて入り込んでしまったのでしょう。
幕間に食べたチョコ1個では、私の脳疲労は回復できなかったようで(汗)
次回からはプロテインバーを持参しよ
でもなんといっても、この作品の魅力は、見るたびに新たな発見があること。
その時の自分の心の状態によっても感じ方が変わるし、キャストが変わると見え方も変わる。
なので何度見ても飽きないし、また観たくなる。
今日のキャストの皆さん、一体感を強く感じました。
息はぴったりだし、楽しみながら、それぞれの役を大事に演じている印象を受けたな。
回を重ねるごとに団結力みたいなものが増すのかもしれません。
そして、あと3週間ほどで閉幕です。
どうか、残りの公演も無事に上演できますように。
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