ミュージカル『ジェーン・エア』の感想と備忘録。
観劇日は2023年3月18日のソワレ。
ジェーン役は屋比久知奈さん。
予想以上に感動してしまった。1幕から泣けるシーン複数あり。
大きく心が揺さぶられるようなダイナミックなストーリーではないけれど、ジーンと心にしみるしみる…
ミュージカル『ジェーン・エア』感想まとめ
ミュージカル「ジェーン・エア」は、ミュージカル特有の、いわゆる派手なダンスや多人数のコーラスもなく、大掛かりな舞台セットや仕掛けがあるわけでもないのに、観劇後は充足感に包まれた~。
(一幕からあんなに泣かされるとは思っていなかった、、油断していた…)
心が大きく揺さぶられるわけではないけど、伝わってくるものは大きく、心がじんわり温まる作品。
まず、このミュージカルの原作、シャーロット・ブロンテの同名小説が素晴らしい作品であるということ。
原作まだ読み途中だけど、一言で面白い。物語の中に引き込まれる。
(分厚くて上下巻ある。ミュージカル観る前に読み終えたかったけど、全然間に合わなかった💦ヘレンが死ぬ手前くらいまで読了後の観劇。やっぱ、ヘレン死んじゃうんだね。そんな予感はしてたよ。)
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【追記(2023/4/1)】
原作小説「ジェーン・エア」読了!
これを読むことで、よりミュージカル作品が楽しめると思う!
ジェーンやロチェスターの人となりがより分かるし、ジョン・リードの存在も面白い。
ロチェスターからジェーンへの愛の言葉が、くさいけどロマンティック~💕(ジャネットって誰?(笑)この辺は、当時の小説で流行したロマンティシズムの現れだと思われる)
ラストシーン、ジェーンとロチェスターが結ばれるというところはミュージカルと同じだけど、完全なハッピーエンドとはいえないような結末…
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さて、ミュージカルの話に戻ると、
演出家のジョン・ケアードがつくり出す世界観がすばらしくて。
ミュージカル「ジェーン・エア」は、ブロードウェイでも上演されていて、その時は商業主義のブロードウェイに合わせての演出だったとのこと。
でも、日本で上演するにあたって、余計なものは全部そぎ落として、この作品の本当に必要な部分だけを残して一からつくり直したと。
なので、ミュージカルが原作の世界観を全然壊していない。
ド派手な演出とか、コメディ的要素なんていらないのよ。
そう、ジェーンて、こういう人間だよねって心から納得できて、共感して、感情移入して…
これがこの作品の良さなのです。そして感動を生むのですよ。
作詞・作曲のポール・ゴードンの音楽も素敵。
基本、穏やかで優しい雰囲気の音楽。
あるインタビューでの井上さんの話。
「ポール・ゴードンの音楽は、比較的穏やかな曲調が多いけど、この作品の音楽はダイナミックなものが多く、歌い上げるのが大変」
とのこと。
たしかに、曲の終わりに高いロングトーンで終わるものもいくつかあり。
でも、それは屋比久ちゃんと井上さんの歌唱力だもの。
全く問題なかったし、きつそうにも見えなかったし。
抜群の安定感で文句なし。
舞台セットも派手ではないけど素敵だった。
幕が開くまで、じっくり舞台を眺めていたけど、とても心地いい空間が広がっていて。
舞台の中央には、ポスターにも載っている大きな木が立っていて、手前には草花が生い茂っていて。
バックミュージックには鳥のさえずり。これが癒される~。
スツールやサイドテーブルもアンティーク調で素敵。
上からのライトがやわらかく注いでいて、それが木の枝で地面に模様を描いていてそれも素敵でした。
そして、この舞台には「オンステージシート」と呼ばれる客席が、ステージの後方、両サイドに設置されていいる。
(ここに座っているお客さん、みんな黒っぽい服と黒のマスクを着用。どうやらドレスコードがあるらしい!)
確かに、ステージは近い!
機会があったらこの席からも観てみたいな。
最近、客席から写真OKなことが多いけど、ジェーン・エア―はNG。
なので、しっかり目に焼き付けておこうとジロジロガン見👀
今回特徴的なのが、ジェーンとヘレンを、屋比久知奈さんと上白石萌音さんがWキャストで2役を演じるということ。
私が観劇したときは、ジェーンが屋比久ちゃん、ヘレンが上白石萌音さん。
あえて、この役で観たかった。
私の中で屋比久ちゃんは、こーいう役がぴったりだと思っていて…
直近ではミスサイゴンのキム役、レミゼラブルでは、エポニーヌ役を何度も拝見しているのがそう感じた理由。
歌の安定感はもちろん、細かい表情から繊細な動きまで、ジェーンをうまく演じていた。もう大感動。歌も安定感ー。顔小さい…
一方、ヘレンを演じた上白石萌音さん。ドラマでちらっとお見かけしたことがある程度で、なんとなく雰囲気からヘレンのイメージがしっくりきていたのだ。
ヘレンの優しくて穏やかで、ちょっと内気で、でも信念はしっかり持っていて…みたいな性質をうまく表現していた。
さすが、女優さん!って思った😳
歌声もきれいだし、音程もしっかりしていてとても上手~。
逆のバージョンも観てみたいとは思うけどね。
私の中ではかなりしっくりきた配役でした。
お二人とも、本当に素敵だった🥰
他にも、1人で何役もこなすキャストが多いです。
みなさん、しっかり演じ分けており(当たり前か😓)全く同一人物だと気付かず…
でも、子役は1人なのでしっかり気づきましたけどね!
ヤング・ジェーンとアデールを演じた岡田悠李ちゃん、めちゃくちゃカワイイ!
ジェーンが大人になってから出番はないと思ってたら、アデーレとして再登場!
うれしかったわぁ。
本当に愛らしくて、歌もお芝居も上手で、惚れ惚れしちゃう😊✨
アデーレ役での天真爛漫な女の子、こまっしゃくれた感じがなんとも言えなかった🤭
2役を見事に演じていました!
そして、井上芳雄さん。
そういえば、トート役以外を生の舞台で拝見したのは初めて!!
そして、思った。
やっぱうまいなー、と🤩
(トートが何度かちらついたけどね…)
「ロチェスターは変わり者」っていう前情報があったから、そういう目で見ていたのだけど、途中「この人何考えてるか分からない!」「なんなのこの人!?」ってちょっとイライラして見ていた。
後日、何かのインタビュー記事で見ると、そういう役作りに苦慮したらしい。
これ読んで「井上さん、内面を見せすぎず、複雑な男を演じていたよ」と思った。
歌もうまいけど、芝居もうまいなーと。
こういう役もイイ!👍
歌は文句なしです。
それから、井上芳雄さんて本当ーに舞台映えがものすごい👀✨
少し前にTV「ミュージックフェア」(浦井健治さんと「Go The Distance」歌ってたとき💕♪)で、すごい痩せて見えて、色も白いし…
大丈夫かしら??なんて心配になったけど、ステージ上だとたくましく見えるから不思議!!!
足長いよねー…(←どーでもいい)
ラストシーン。
原作をまだ読み終えていないので、ラストは知らなかったわけだけど。
ハッピーエンドで本当に良かった😭
あんな過酷な子ども時代をおくって、ジェーンには本当に幸せになってほしかった。
最後にベンチのところでジェーンとロチェスターとフェアファックスさんで語り合うシーン。
フェアファックス(春風ひとみさん)は、ロチェスター(井上さん)とジェーン(屋比久ちゃん)の涙をハンカチで何度も拭ってて…😭
オペラグラス持っていかなかったから見えなかったけど、本当に泣いていたんだろうな。。。
カーテンコールでは、3回目かな?舞台を去るとき、舞台袖で井上さんと屋比久ちゃんはお互いに背中をポンポンと叩いてて、いい同士っぷりを見せてくれました。
インタビューで井上さん話していたけど、屋比久ちゃんと上白石萌音さんは本当に仲が良いと。
カテコでの二人を見てもそう感じましたよ。
屋比久ちゃんの今後も楽しみ。どんな役をやるのかな♪
どんどん成長している気がする!
キャスト
キャスト〈2023年3月18日(土)17時半開演〉
ジェーン・エア:屋比久知奈
ヘレン・バーンズ:上白石萌音
ジェーンの母/ソフィ/ブランチ・イングラム:仙名彩世
ミス・スキャチャード/ベッシィ:樹里咲穂
アボット/グレース・プール:折井理子
アグネス/リア/メアリー・イングラム:水野貴以
ジェーンの父/トーマス/シンジュン・リヴァーズ:中井智彦
ブロックルハースト/ロバート:萬谷法英
ジョン・リード/イングラム卿/牧師:神田恭兵
リチャード・メイスン:大澄賢也
ミセス・フェアファックス:春風ひとみ
ヤング・ジェーン/アデール:岡田悠李
樹里咲穂さんは、前回のレミゼで見ている雰囲気と全く違うので驚いた!
はじめ気付かなかったくらい😱 役づくりがすごい!
アボット/グレース・プール役の折井理子さんも印象強く残ってる。
なんせ一度しか観てないので、いつものように目が足りず…😓
皆さん素敵でした!
生オーケストラはやっぱいいなー。
指揮者は女性の方でした!✨
東京芸術劇場・座席
座席はG列7番。赤〇のところ。
客席としての使用はE列から後ろなので、実質前から3列目。
ただ、前列との段差がすくないため、前に座る人の頭で舞台の下のほうが見えないことも。実際、ジェーンの幼少期、まだリード家にいたときに、従妹のジョンにいじめられるシーン、本を破られるところとか、床に座って演技をするヤングジェーンの姿が、ななめ前の人の頭で全く見えず😓
でも、役者さんが話すときの飛沫が見えるくらい(;'∀') の近さ。
ミュージカル『ジェーン・エア』(2023年)公演情報
1幕 1時間10分
休憩 20分休憩
2幕 1時間15分
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公演日:2023年3月11日(土)〜4月2日(日)
会場名:東京芸術劇場 プレイハウス
チケット料金(全席指定・税込)
オンステージシート:14,000円(公演オリジナルマスク付き)
S席:13,500円 A席:9,500円
公演日:2023年4月7日(金)〜4月13日(木)
会場名:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
チケット料金(全席指定・税込)
オンステージシート:14,000円(公演オリジナルマスク付き)
全席指定:13,500円
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原作 シャーロット・ブロンテ
脚本・作詞・演出 ジョン・ケアード
作曲・作詞 ポール・ゴードン
翻訳・訳詞 今井麻緒子
音楽 スーパーバイザーブラッド・ハーク
美術 松井るみ
照明 中川隆一
音響 湯浅典幸
衣裳 前田文子
ヘアメイク 宮内宏明
音楽監督補・ピアノコンダクター 桑原まこ
歌唱指導 柳本奈都子・中井智彦
演出助手 加藤由紀子
舞台監督 齋藤英明