心躍るひととき

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ミュージカル「キンキーブーツ」正直な感想(2022年)

ミュージカル「キンキーブーツ」の感想です。

2022年10月30日(日)13時公演。

会場は渋谷ヒカリエ11階の東急シアターオーブ

前置きとして、映画「キンキーブーツ」が大好き。

映画「キンキーブーツ」は、ストーリーも出演者もとっても良かった。

ローラ役のキウェテル・イジョフォーの歌も演技も素晴らしかったし、ジョエル・エドガートン演じるチャーリー、最初は本当にパッとしないけど、どんどん魅力的な男性になっていく様に惹きつけられ…

そして、ローレン役のサラ=ジェーン・ポッツが個性的でキュート!
ベリーショートがとっても良く似合っていて、賢くてユーモアがあり、自然体で包容力のある素敵な女性を演じていました。

 

この映画をミュージカルにするとどうなるの?という期待やワクワク感を持って観劇しました。

今回、ミュージカル「キンキーブーツ」を観るのは初めてです。

推しの俳優さんは特にいません。

辛口コメントあります。あくまで個人的な感想です。

(映画版が好きなので、どうしても比べてしまう部分あり。)

ローラ役・城田優

城田優さん演じるローラ、ビジュアルが美しすぎました。

高身長でカッコイイ、もともとが素敵なビジュアルの城田さん。

ローラの姿が美しいのはもちろん、ファッションも素敵でとってもオシャレ。

工場でのスーツ姿もかっこいいし、マッシュルームっぽい髪型もキュートだったなー。

コミカルな演技もうまく、クスクス笑ってしまった。

間合いの取り方なども絶妙で。

会場からも笑い声がよく聞こえてきました。

ときどき出すドスのきいた声とかね、面白かった。

 

ただ、美しすぎて『闇』の部分があまり見えてこなかった印象。

これまで受けてきたであろう差別や偏見など、苦労してきた部分が想像できなかった。

ただ、敢えてそう見せていたのかなーとも取れなくもない。

“過去や今抱えている辛い部分を見せず、全部許して生きている”と捉えることもできるしね…

 

映画版のローラは、もっと痛々しく映るんですよね。

工場に、女装なしで登場するシーンは、デニムにセーターで、オシャレでもなんでもないあくまで普通の人。しかも、ちょっとおどおどした様子。

女装してる時の自信満々な態度や言動の裏側に、寂しさや強がっている部分などが垣間見えて切なくなるんです。

それが、城田ローラからはあまり感じられなかったかな。

なんせ華やか過ぎて。

(目福ではあった)

ただ、2幕後半、チャーリーとローラが本気で言い合うシーンや、老人ホームでローラが歌う「hold me in your heart」、あのローラからは、悲しみや心の葛藤など、心の奥底にある何かがひしひしと伝わってきて、ぐっと惹きこまれてしまった。

あそこに全部をぶつけてきた感じがした。

熱演、熱唱でした。

ローレン役・ソニン

そして今回、ソニンさんも楽しみにしていました!

チャーリーの工場で働くローレンを演じるソニンさん。

かなりコメディ要素の多い役どころです。

これを見事に演じきってました。

なりきっていて、かつ自然な演技、振舞い。

細かい表情とかも、よく表現されていた印象でした。

いやー、うまい!!!

デビュー当時のソニンさんの印象しかなかったので、「素敵な俳優さんになられて~」と感動…🥹(←誰目線?😅)

歌も聴けて良かったのだけど、ローレンの歌はコメディチックなものばかりなので、まじめな歌を聴きたいなーと思いました。

歌唱力も素晴らしいので、もっと聴かせどころをつくってほしかったな~。

全体の正直な感想

kinkyboots

ミュージカル「キンキーブーツ」正直な感想。

1度しか観ていないので、2度目観たらまた違う印象を持つかも、と思ったりもしますが、ひとまず初見で気になったところなど。

音楽について

ミュージカル「キンキーブーツ」シンディ・ローパーが作詞、作曲をしています。

英語版のサントラを聴いていると、いい曲だな~と思うんだけど、今回のミュージカルを観て、音楽があんまり心に響かなかった、というのが正直な感想。

まず、日本語の歌詞にちょいちょい英語が入るので、歌詞や思いがすんなり心に入ってこなかったというのがあるのかな、と思いました。

あとは、訳詞の問題? はたまた歌詞が聴き取りにくかった? 私の耳の問題??

理由はよくわからないのだけど、あんまり音楽が頭に残らなかった印象です…

 

最後の曲「raise you up/just be」は良かったし、観劇後も頭の中をぐるぐるしてました。

あのハッピーなエンディングは大好き!

前向きに元気になれる音楽🎵✨

最後の最後はお客さん総立ちで、躍ってる人までいて👯👯‍♂️(スゴイ!振り覚えてるのね!)

キャストとお客さんが一体になる感じが最高でした~✨

 

ストーリー展開

キャストの気持ちの変化が、あまり伝わってこなかった印象です。

終盤、ローラと口論になった後、チャーリーがローラに電話するシーン。

そんなに早く気持ち切り替えられたの?どこで??

 

チャーリーとローレンの関係性も。

ローレンは最初からグイグイいってたから誰もが分かるチャーリーへの想い。

でも、チャーリーはいつ心変わりした?

急に告白した感じがしてちょっと違和感。

 

などなど、唐突感があって感情の移り変わりみたいなものを感じにくかったのが残念でした。

映画だと、もっと繊細に描かれているんだよな~
(舞台で同じように表現するのは難しいのかもしれないけど・・・)

 

エンディングで、チャーリーが一人でランウェイに立つシーン。

映画の中のチャーリーは、もっと惨めに描かれていて、『ローラ、早く来て!』とハラハラさせられ、その後のローラの登場シーンもかっこよくて描かれているけど…。

 

また、これは違和感というわけではないけど、欧米人のような話し方で演技をしているところ。
洋画の日本語吹替版のような話し方をしてるんですね。

これは、こーいう演出だから仕方がないことですが、個人的にちょっと気になったところ。

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YouTubeで見たウエストエンド版、もちろん英語の詩を英語で歌っているわけで、セリフも英語だし、違和感を感じないのは当たり前。

もしかしたらこの作品の世界観をそのまま日本語で表現するのは難しいのかな…

いつかNYやロンドンで観たいなー、とも思いました。

 

と、ネガティブな感想ばかり書いていますが、素敵だなーと思ったシーンや感動シーンもたくさんありました。

 

チャーリー演じる小池徹平さん、ビジュアルがかっこいいから、最初のダメさ加減があまり伝わってこなかったけど、全体的に声が良く出ていて、お芝居も良かった。

歌は予想よりずっとお上手でした。

(薄っぺらい感想は語彙力の問題💦 褒めてます😅)

 

1幕の始めの方、「Take What You Got」もカッコよかった!

ハリー役の施鐘泰さん、素敵でした!

 

ローラとドンがボクシングで対決するシーン、スローモーションの見せ方や音楽がとても良かったです。

城田優さんの肉体美にドキドキしちゃったりして…😳

 

対決後のドンとのやり取りも良かったな~。

映画でも好きなシーンです。

映画では腕相撲で対決するので、「え?ボクシング?」って思ったけど、全く違和感なく、うまく表現されていたと思います。

 

工場で働く女性も、歌はちょっとしか聴けなかったけど、皆さん素敵でした。

これは回数見ないと把握できないです、目が足りない・・・

ジョージ役、ひのあらたさんも素敵でした。渋い!

 

そして、楽しみにしていたエンジェルスたちのパフォーマンス!

鍛えられた肉体美とキレキレダンス、女性より女性らしい動きに目が釘付け。

衣装もステキ✨

こちらも初見では誰が誰だか分からないし、目が足りない😭

が、その中でも特にキラキラオーラを感じたのは穴沢裕介さん。

ショートカットの金髪がめちゃくちゃ似合ってて、かわいかったなー。

 

ラウンドガール姿の佐久間雄生さんにワーオ!🤩

見て、この肉体!

最も美しい細マッチョだと思う!!

あと、ボクシングの対決前にアナウンスしていたエンジェルス、誰?

分からなかったよー。

分かる方いたら教えてほしいです!

歌も良かった~♡

kinkyboots

「キンキーブーツ」(2022年)キャスト

チャーリー・プライス 小池徹平

ローラ 城田優

ローレン ソニン

二コラ 玉置成実

ドン 勝矢

ジョージ ひのあらた

エンジェルス 穴沢裕介 森雄基 風間由次郎 佐久間雄生 遠山裕介 浅川文也
エンジェルス / スウィング シュート・チェン

パット 飯野めぐみ

トリッシュ 多岐川装子

ハリー 施鐘泰JONTE

サイモン・シニア 藤浦功一

ミスター・プライス 松原剛志

リチャード・ベイリー 高原紳輔

マギー 杉山真梨佳

ジェンマ・ルイーズ 久信田敦子

マージ 舩山智香子

フーチ 清水隆伍

マット 増山航平

ヤングチャーリー 小林佑玖 磯田虎太郎 古澤利空

ヤングローラ 高橋唯人 ポピエル マレック 健太朗 高橋維束

スウィング 大塚たかし 吉井乃歌

公式サイトより

「キンキーブーツ」(2022年)おわりに

お客さんの熱量がすごかったのも印象的。

登場しただけで拍手がおこったり、手拍子も多かった。

作品やキャストへの愛、温かさを感じました。

最後のカーテンコール、城田優さんは客席の隅から隅まで、上から下までゆっくり見渡しながら、お客さん全員に視線を送ってくださっていました。

こーゆう姿に感動しちゃうタイプな私🥹

いろんな思いで演じていたんだろうな。

城田優さんの、また別の作品も観たいなーとも思いました。

エリザベートのトートも観たことなかったので。

 

「ありのままを、ただそのまま受け入れる」

このメッセージはしっかり伝わってきました。

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